あっ! 商店街の歩き方
今も季節とともに
2003.3.9
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靴で健康を守る
近藤久左衛門と市右衛門
屋号「くらがりや」を推理する
ALAMN BEBAS
四番町スクエアってなに?
今も季節とともに
市場気質
頑固であるということ
電信柱が無くなると
空が広い
僕は…
ずっと自転車で走っています。
1970年代をそのままに

発行 彦根商店街連盟
編集 彦根商店街連盟広報部会
 「せんくろ」は、産地直送、有機野菜、無添加食品など、こだわりの品揃えで人気のお店である。スーパーでは季節を知ることも少なくなったが「せんくろ」では、ちゃんと季節と同じようにお店の品揃えも変化してゆくのだ。
「せんくろ」の屋号は先々代が、東京の千住で果物を商い始め、「千住の黒田」↓「せんくろ」。彦根でお茶を商っていた時代もあり、戦争で彦根へ疎開。スーパーの無い昭和25年頃、市場商店街で開業。八百屋の三代目黒田英孝(46歳)さんにお話をうかがった。
「こだわりを持ったお客さまが多く、〜を置いてくれないかとリクエストもあって、そういう声に出来る限り応えようと思ってきました。勿論、独自のルートを開発したり、生産者の方に依頼したりしています。例えば、大根など全部引き取るという条件で作ってもらったり、形の悪いものは、昔ながらのうちのやり方で、色粉とか絶対に使わないで漬物にしてもらっています。でも、ほとんどはお客さまからの紹介で店に置くようになったものも多いですね。リクエストに応えてきた結果……、今のようなこだわった八百屋になったと言うのが正しいかもしれません。気温が1度から2度違うともう売れ方も違ってくる商品もあり、難しいです。八百屋は面白いですよ。」
 せんくろに行けば、ホウレン草などの葉っぱの柔らかい野菜のことを「軟弱野菜」と呼ぶとか、イソガキという野菜を初めて買った時には、料理の仕方まで教えてもらえたりと、昔ながらの自然なコミュニケーションが今も続いている。
「昨年から京野菜を入れるようになりました。みぶ菜やみず菜……頑張っている若い生産者の方です。お客さまと生産者の方をつなげる。八百屋はそういう仕事なのかもしれません。」
 近頃、若いこだわりのお客さまが少し増えてきたという「八百屋せんくろ」である。一度、お訪ねあれ……季節が並んでいるから。

この記事は、2003年2月9日執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。