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発行 彦根商店街連盟 |
編集 彦根商店街連盟広報部会 |
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商店街を歩いていて不思議を感じるのが「屋号」ではないだろうか……。例えば、キリン屋。何でだろうと不思議なのである。例えば、二口屋……やっぱり、どうしでだろうと更に不思議になる……。
なんとなくは想像することもできるのだが、銀座商店街の中程にある「安澤種苗店」、屋号は「くらがりや」という。この屋号は推理の手がかりも無く手強い。「くらがりや」とは……。
安澤種苗店は嘉永四年(1851)創業の老舗である。農家から果物や野菜、種を仕入れ行商に歩いたのが始まりという。「くらがりや」の屋号の実際はと、安澤大輔さん(58歳)に尋ねてみた。
「代々、この屋号を名乗ってきたわけではなく、お客さんがそう呼ばれたんですね。あだ名みたいなものです。私の代になってから、地元ではくらがりやで通ってますし、珍しいほうが初めての方には覚えてもらえるような気がして、正式に取り入れました。」
代々、朝の暗いうちから、夜、暗くなるまで商売に励んだことからいつしかそう呼ばれるようになったのだという。質素、倹約、勤勉、そんな言葉を思い出すのである。
現在、約二千種のタネ、二百種の苗を扱っている。その全てに深く通じる専門店である。肥料や植木などガーデニングに関するモノも何でも揃う。育て方や病気などについても相談にのってもらえそうである。
一度お訪ねあれ……。 |
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