あっ! 商店街の歩き方
新しい酒屋の業態を求めて、サザエさんの三河屋さんを目指す
2002.12.10
TOP
CPカードってなに?
酒屋の一念発起
コンピュータを凌ぐ手の技
タッピー
新しい酒屋の業態を求めて
名物!?イタリアン焼きそば
ルパン三世と
長曽根虎鉄の関係
月に一度、賑わいの宵市
寺子屋力石レコード店となる。
モダン、どんつきの街

発行 彦根商店街連盟
編集 彦根商店街連盟広報部会
 「十一屋」は昭和四年から続く酒屋である。「城下町彦根」というプライベートブランドを販売している。
しかし、三代目の野上公嗣さんは厳しい業界の中にあって、お酒の専門店として店売りだけでなく、生き残りをかけ宅配のシステムにチャレンジしている。
目指すは、『サザエさんに登場する三河屋さん』のイメージだそうだ。御用聞きのサンペイさんやサブちゃんである。
「酒屋というのは業種です。店売りというのは業態です。業態で考えた場合、買いに来て下さるお客様を待っているだけでは絶対に量販店に勝てないですよね。ですから宅配システムにこだわっていきたいと思っているのです。昔の酒屋さんのように前掛けはしてませんが、西今町辺りまでだったら飛んでゆきますよ。」
三代目は、専門店にこだわらず、お米や季節商品も宅配システムの中に組み込んでいる。 そう言われてみると、昔から酒屋さんは店売りではなく、外売りが基本なのである。三代目は、実は、新しいシステムを作ろうとしているのではなく、本来の酒屋の業態へ戻ろうとしているのかもしれない。
「私は父のようにお酒へのこだわりはあまり無いのです。専門店としての商いは、この場所ではとても難しいですね。城下町彦根という日本酒も、贈答品や土産としての需要や、営業にゆくと引き合いもありますが日常の暮らしの需要はほとんど無いんです。それよりは、お客さまに喜んでいただける電話一本で宅配。そして、また次のご注文をいただくというカタチが一番だと思うのです。」
 「十一屋」は江戸時代初期は、金物を、明治の頃はカイロバイを商う代々商人の家系である。サザエさんと三河屋さんは信頼関係の上に成り立っていた。三代目の目指すところは、商いの基本であり、三代目の商いのカンどころもまた天性だろう。
 一度、お電話…、いえ、お訪ねあれ……。
広報誌「あっ!」の目的は、まちを歩いていただくことにあるのでした。

この記事は、2002年12月10日執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。