あっ! 商店街の歩き方
石工の修行は漬け物石から
2003.2.9
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石工の修行は漬物石から
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発行 彦根商店街連盟
編集 彦根商店街連盟広報部会
 石材店のショールームが商店街にある。伊藤石材店の創業は明治26年5月。当時は七曲がりで商いをしていたが、昭和2年現在の駅前へと移った。
「30年ほど前に彦根駅前商栄会に入りました。アルプラザができ、駅前が良くなるということで週に一度、通りの掃除をしだしたのが私の商店街活動の始まりです」
代表の伊藤忠夫さんは三代目になる。機械で加工することが多くなった現代にあって、伝統的な石の職人としての手仕事を受け継いでいる。
 ビシャン、ハビシャン、ハイカラ、コヤスケ……石を叩く道具である。修行の一歩は漬け物石から。天地を平らに、平行に、側面を美しく柔らかな円筒形を叩き出す。四角い石を8面に、次に16面、32面と打ち落としてゆくのだ。
漬け物石ができれば、とりあえず石工の仕事はできるようになるという。
「石は季節や天候によって様々な表情をもっています。雪の日も夏の暑い日も……特に、雨に濡れた石は特に美しいですね」
 『石のある暮らしを』と伊藤石材店は提案している。墓石や神社仏閣、石畳のような石工工事ばかりが石材店の仕事ではない。花瓶や置物など石に関すること全てと言っていいかもしれない。木と同じく天然の素材である石を暮らしに……石の冷たさや暖かさ、石のこころを感じたくなったら訪ねてみるといい。勿論、新しい漬け物石の注文だってかまわないと思うのだ。
 伊藤さんの驚くべき大きな手が迎えてくれるだろう。
一度、お訪ねあれ……。

この記事は、2003年2月9日執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。