あっ! 商店街の歩き方
城下町フロンティア
2003.2.9
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真知子巻きも商店街連盟も
50周年……
昔…戦争があった。
歯痛治しの石垣
夢京橋キャッスルロード
View Point
直孝公と招き猫
大きな古い時計
魚屋さんへ行くなら
昼時を狙え!
橋本町400年
石工の修行は漬物石から
自転車の表情
彦根に住んでいても
たまには泊まってみたい
ういろ全12種類

発行 彦根商店街連盟
編集 彦根商店街連盟広報部会
寄稿 京都橘女子大学 文化政策学部教授 織田直文
PROFILE
織田直文(おだ なおふみ) naofumi ODA
1952年石川県生まれ。福井大学工学部卒業。京都橘女子大学文化政策学部教授。
京都大学博士[工学]。専門は「まちづくり学」「地域計画論」。「ひと・まちネット滋賀」幹事。1980年から県内各地のまちづくり研究・助言活動を続ける。近年は中心市街地活性化・商店街振興や市町村合併、市民活動、ネットワーク論などの研究に取り組む。著書は『まちづくり診断』『我らネットワーク元気人』ほか多数。

織田直文氏 








フロンティアといえば、普通は荒野を開拓していくことを連想するかもしれない。私は、埋もれている地域資源を再発見し、磨きをかけ再生する、また時には斬新な発想で魅力を創出することも含め、まちおこしのキーワードとして使っている。
 城下町といえば、一般的には伝統を重んじ、保守性が強調される。一見すると静かで何も動いていないように見えるが、その初めには藩主も武士も、商工業者も農業者らも皆、新都市建設に燃えていたはずだし、その後何百年もの間の繁栄を通じ、今日まで都市を存続させてきた歴史には、人々の夥しい建築・建設、産業、生活、文化・芸術など多様な面での創造活動という営みの蓄積を感じる。つまり、城下町こそは創造空間なのである。
 今まさに彦根はそのことに再度目覚めたのである。夢京橋キャッスルロードの整備をかわきりに、中心市街地活性化法に関連して市街地の再整備やTMO(タウンマネージメント機関)事業での商店街再生などの連続事業を見てもおわかりのように、まさに彦根は今、城下町フロンティアの真っ最中である。
 そもそも商店街空間には実に多くの魅力が備わっている。1.その都市の顔  2.地域文化の殿堂空間  3.イベント・劇場空間  4.地域の商業・生活サービスセンター  5.防災・安全センター 6.福祉空間  7.おもしろグッズの宝庫 8.カルチャースクール  9.最先端のテーマパーク・観光・リゾート地  10.ビジネスチャンスの場等々……、まだまだある。これらの魅力を生かしつつ、一方で大胆な創造が進んでいる。
 生まれ変わった銀座商店街、イベントに新規事業に話題の欠かない花しょうぶ通り、エキゾチックで店先カルチャーが花開く登リ町グリーン通り、大正ロマン漂う四番町スクエア、あきんどのまちおいでやす商店街も近く再出発する。「よりーな」や学生による「ACTステーション」など各所に新たなスポットもでき、市民が主役の〈チャレンジショップ〉も頑張っている。
 要は、プラス思考だ。ハード&ソフトだ。市民、商業者等の事業者、行政、専門家の連携だ。フロンティアはチャレンジ、そしてロマンでもある。


この記事は、2003年2月9日執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。