
「ゑびす講」は、商家の神棚の恵比須神に鯛を供えて商売繁昌を祈る年中行事に合わせ、一年間商いをさせていただいた感謝の気持ちをお客様に伝える「大売り出し」だ。今風に言えば商店街全店あげての大バーゲンセールである。およそ百年続く彦根のイベントでもある。昭和35年頃には「彦根のゑびす講は日本一だ」と自負するイベントで、三重県から鈴鹿の山を越え、琵琶湖の対岸からは舟でゑびす講に訪れるほど大盛況だったと伝わっている。
現在ではこの「ゑびす講」も様変わりし、単なる大売り出しではなくそれぞれの商店街が趣向を凝らして訪れる人々を楽しませている。
例えば、中央商店街で11月19日(金)に行われる「一日だけのヨーロッパ」と題したイベントは、「ホコ天」となった道路に、彦根近在の人気の専門店が一日だけ出店しヨーロッパを演出するフェスタだ。彦根の商店街体験をするならば、絶好の機会であることは間違いない。
彦根弁講座「ゑびす講」編
もしも彦根弁というのがあるとするならば、根っからの彦根人は「ゑびす講」を「えべすこ」と言う。「えべすこ、行かへん?」てな具合だ。行くの反対語は「帰る」である。「帰る」は「もんでくる」だから、「ゑびす講へ行って、帰ってきた」は「えべすこ、行って、もんできた」となる。
「つまらない」は「しょーもない」であり、ごく近しい間柄では「しょうもな」。「メッチャ」は「ゴッツイ」、更に付け加え「モノゴッツイ」となれば計り知れないことを現す。「ゴッツ好きや」はなかなか率直な表現である(但し、ゴッツは女の子には馴染まない)。
さて、次の表現を理解できたならば、あなたも立派な彦根人である。
「えべすこいってきたんやけど、ぎょうさん店があって、えらい人で、おもしろかったで。」
(しかし、この表現はかなりベタベタですね。)