2005.3.27

TOP
商店街現役人生に学ぶ 1
商店街現役人生に学ぶ 2
「何もある」商店街
商店街お買物駐車場MAP
カインズ反対 御礼とご報告
発行 彦根商店街連盟
編集 彦根商店街連盟広報部会

彦根の商店街が果たす役割ってなんだろう

 何も無いところでドラマは生まれない。「無い」の反対語は「ある」である。ドラマは「何もある」ところで生まれることになる。ドラマを人と人が出会い生まれる様々な物語であるとするならば、人が集う商店街はドラマの宝庫である。知らされていないだけで、そこには人生があり、それこそドラマチックなコトやモノが隠されていることになる。
 江戸時代から続く歴史の中で「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」の精神で、お客様に合った良いモノを商う専門店が集まっているのが商店街である。お客様ひとり一人の好みを把握し、その人の顔を思い浮かべながら仕入れをする姿勢は、量販店にはできない一対一で向き合う商いである。商店街にはその商いの姿勢が代々受け継がれている。また、商店街が果たす地域社会での役割もある。商店街は、子どもたちが安心して遊べる場所であったし、人が集まり若者は闊歩し、様々な出会いがあり、地域の祭りを支える役割も担っていた。人と人の出会いが生まれる実に、ドラマチックな場所だったのだ……。
 今号の「あっ!vol.9」は、「高齢社会」で商店街の果たす役割を滋賀大学経済学部 山崎一眞教授に寄稿いただき、また、各商店街で商いを続けてきた人々に生き様(ドラマ)を語っていただいた。ご高齢の方々には更なる元気を、若い世代には生き方を……子どもたちには触れあいの中から生まれる安心な遊び場を……。「何かある」ではなく、変な日本語だが「何もある」商店街を知っていただければ……。そしてここは、今も新しいドラマの数々が生まれる場所なのである。要するに、商店街へ出かけなければドラマは生まれない。お店の人と一言交わすことから始まり、ドラマは進行してゆく。そのお客様のドラマの集積が、新しい商店街の役割を生みだすのではないだろうか。
商店街という舞台で、どのように振る舞うかは自分次第。やっぱり、ドキュメンタリーが似合うだろう。  

 この記事は、2005年3月27日執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。