あっ! 商店街の歩き方
 自転車の表情
2003.2.9
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自転車の表情
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発行 彦根商店街連盟
編集 彦根商店街連盟広報部会
 彦根駅まで一分……木村自転車預り所の創業は昭和23年。通勤通学の人々の自転車を毎日預かり続けてきた。
「休みはとれないし、朝は早く夜は遅いし、いい職業とは言えないね」
家業を中学の頃から手伝い、今は事業主となった木村縫子さん(68歳)は言われる。
 木村さんは自転車を預けるお客さまの顔と自転車をパーフェクトに記憶している。スムーズに自転車の受け渡しができるということは、混雑しないということであり、それは自転車預り所の基本のサービスなのかもしれない。記憶に秘訣はあるのか……。
自転車の泥よけの表情がそれぞれ違うらしい。しかし、数台ならともかく、あの数である。性根の入れ方が根本的に違うのだろう。
「持ち主と自転車を全て記憶されてるのですって……。スゴイですね」
「何処で、そんなこと聞いてきはったんや」
そう言って木村さんは笑っているだけだ。
 自転車の持ち主が帰って来る時間帯になると五台、六台と表へ並べ始める……。
自転車を預かり、整然と屋内に駐輪し、取り出し、お渡しする。木村さんの一日は、そうやって繰り返されてゆく……。

この記事は、2003年2月9日執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。