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フルハウスこだわりと技の珈琲
2002.11.10
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発行 彦根商店街連盟
編集 彦根商店街連盟広報部会
 あえて、ネルドリップにこだわるなんて本当は時代錯誤なのかもしれない。しかも、オーダーが入るたびに、ひとり分の豆を挽き、珈琲を淹れるなんて……。ネルドリップならば珈琲の味を均一に美味しく淹れるには4〜5人分と言われているにも関わらず、フルハウスのオーナー桑原誠さんは、あえてこの在り様だ。良質な生豆を浅く焙煎し珈琲を淹れるので、一杯の珈琲を淹れるために使う豆の量は普通の倍必要になる。手軽に均一な珈琲ならばペーパーフィルターを使うのが一番なのに、わざわざ、手間暇をかけ、困難さを自ら楽しむように珈琲と付き合う。わざわざ、非効率を探求するようなやり方だ。
何故、ネルドリップなのか……
「これが本当の珈琲の味が出るんやと思うんよ……」こういうことを生業としてから、桑原さんは22年になるという。
 珈琲は嗜好品である。美味しいと思う珈琲もひとそれぞれである。珈琲に一家言を持つ人々も多い。それなりに家庭でも美味しい珈琲を淹れることができる時代でもある。
 にも関わらず、フルハウスを訪れ、一杯のブレンド珈琲を何故、注文するのか……。
喫茶店の空間は非日常であるからという理由もあるだろうが、そこで珈琲を淹れることをずっと同じようにやっているヒトの、こだわりをまるごと珈琲としていただくからである。
そういうヒトもまた、通であったりする。
「今日の珈琲はいつもより美味しいけど、何か、いいことあったの?」
一杯の珈琲を、お試しあれ……。

この記事は、2002年11月10日執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合がございます。